デザインを入稿する前に必ずチェックしたい10個のこと

デザイナーの教科書

データチェック早見表

  1. #カラーモードは「CMYK」になっていますか?→解説
  2. ラスタライズ効果は「高解像度(300ppi)」になっていますか?→解説
  3. オーバープリント部分はプレビューで確認しましたか?→解説
  4. 入稿データの作り方は正しいですか?→解説
  5. 塗り足しは十分ですか?→解説
  6. 通常ブラックとリッチブラックを使い分けていますか?→解説
  7. 孤立したアンカーポイントは削除しましたか?→解説
  8. テキストは全てアウトライン化しましたか?→解説
  9. 画像のリンク切れが起きないようになっていますか?→解説
  10. ヘアラインの処理はしましたか?→解説

1. カラーモードを「CMYK」にする

メニューバー「ファイル」>「ドキュメントのカラーモード」から、「CMYKカラー 」を設定します。

カラーモードには「CMYK」と「RGB」の2種類があります。「CMYK」は印刷物用、「RGB」はディスプレイ用のカラーモードです

誤って「RGB」を選択してしまうと、想定よりもビビットな色味になる場合があります。印刷物には必ず「CMYK」を適用しましょう。

2. ラスタライズ効果を「高解像度(300ppi)」にする

メニューバー「効果」>「ドキュメントのラスタライズ効果設定」から、解像度の項目を「高解像度(300ppi) 」に設定します。

解像度とは、1インチあたりに並んでいる画素数を表すものです。解像度が高ければ高いほど出力されるグラフィックは美しくなりますが、その分データ量も重くなっていきます。

一般的に、印刷物に適する解像度は250〜300ppi程度と言われています。一方、ディスプレイの最適解像度は72ppiです。データの中にこの低解像度の素材が紛れ込んでいると、画面上では目立たなくても、印刷後に画像に粗が出てくることがあります。

グラフック作品をデータで見たままの綺麗さで仕上げるためにも、解像度については制作中から度々気にかけておきましょう。

3. プレビューモードをオーバープリントにする

メニューバー「表示」から「オーバープリントプレビュー」を設定します。

「オーバープリント」とは、塗り部分をレイヤーのように重ねて印刷する技法です。それに対して、あらかじめ塗りの範囲を分けて色が混ざらないように印刷する技法を「抜き合わせ」と言います。

デザイナーはデータの各所でオーバープリントと抜き合わせを使い分ける必要があります。しかし気づかないうちに白オブジェクトをオーバープリント設定にしていると、そのオブジェクトは印刷時に消えてしまいます。これを事前に確認して防ぐのが「オーバープリントプレビュー」です。

プレビュー状態。抜き合わせ(無設定)の状態だと白文字が綺麗に表示されています
しかしオーバープリントを設定すると白文字は消えてしまいました

基本的には、印刷データは抜き合わせで作成されます。ではどのような時にオーバープリントを使うかというと、主にテキストなどの細かいオブジェクトです。

細かいオブジェクトを抜き合わせすると、オブジェクトと型取りした版の隙間に意図しない余白ができてしまう場合があります。でもオーバープリントを設定しておけば、この「版ズレ」を防ぐことができます。

しかしオーバープリントは色を重ねる技法のため、下地の色の影響を受けやすいという点も注意しておかなくてはなりません。特にスミベタ(K100%)などについては、なるべく下地の影響を受けにくいリッチブラック(C40%:M40%:Y40%:K100%)に置換するなどの処理をしておきましょう。

4. 入稿する用紙データを確認する

入稿用のドキュメントデータは、あらかじめ業者が配布しているテンプレートを使うのが安心です。

わたしは次のサービスをよく利用しています。

業者が配布しているテンプレートを使うメリットは、何よりもトンボやドブ幅など、必要な基準線が全て正確に揃っていることです。またA判・B判共に豊富な種類の紙のサイズが用意されているため、ドキュメント設定のミスなども防げます。

もしテンプレートを自作をする際は、必要基準線が全て入っていることを確認してくださいね。

5. 塗り足しを十分とる

入稿データは用紙内側にある実際の裁断線ではなく、外側の仕上がり線までデザインします。

印刷の過程では通常、用紙は印刷後に規定のサイズで裁断されます。仕上がり線より外側の「ドブ幅」はその時に切り落とされる部分です。

この塗り足しが不十分だと、用紙の端に意図しない余白が生まれることがあります。

6. 通常ブラックとリッチブラックを使い分ける

リッチブラックとはスミベタよりも強く発色する黒色のことです。スミベタがK100%なのに対し、リッチブラックはC40%:M40%:Y40%:K100%が基準値とされています。

リッチブラックを使うメリットは、デザインに高級感やメリハリが生まれることです。また「3. プレビューモードをオーバープリントにする」で先述したように、黒のオーバープリントで下地の色の影響を受けにくくする効果もあります。

ただそれぞれの色を重ねて作るため、細かいテキストなどには少し不向きです。またCMYKの合計値が高すぎるとインクも乾きにくくなってしまいます。

リッチブラックを取り入れる際は細かい線や文字は避け、CMYKの合計値も多くとも250%までにとどめておくようにしましょう。

7. 孤立したアンカーポイントを削除する

作業過程で気づかないうちに付けてしまった余分なアンカーポイントは消しておきましょう。

メニューバー「選択」>「オブジェクト」より「孤立点」をクリックすると、ドキュメント状で孤立したアンカーポイントが選択されます。

この状態で「delete」キーを押せば一気に削除できます。

8. テキストを全てアウトライン化する

  1. メニューバー「選択」>「オブジェクト」>「全てのテキストオブジェクト」より全てのテキストを選択状態にします。
  2. メニューバー「書式」>「アウトラインを作成」でテキストをアウトライン化します

テキストをテキストデータのまま渡してしまうと、相手のパソコン次第では表示できなかったり、別のフォントに変換されてしまう場合があります。それを防ぐため、テキストデータは必ず入稿前にアウトライン(パスデータ)に変換しておきましょう。

しかし一度アウトライン化してしまうと、そのテキストを再び書き換えることはできません。そのため作業の前には、別名で保存してデータのバックアップを取っておくのがおすすめです。

9. リンク画像の処理をする

データ内に配置した画像は、フォルダ内の元データにリンクされています。そのため元データの移動や削除などを行うと、リンクが切れて画像が表示できなくなってしまいます。

入稿前には、次のどちらかの方法で画像のリンク切れを防ぎましょう。

  1. 画像をデータ内に埋め込む
  2. ドキュメントデータと画像を一緒にパッケージする

1.画像をデータ内に埋め込む

画像を選択した状態で、メニューバー「ウィンドウ」>「プロパティ」よりクリック操作の項目で「埋め込み」を選択します。

リンクを打ち切り画像をドキュメント内に埋め込むことによって、入稿時にはドキュメントと一緒に画像データを渡すことができます。

また埋め込まれた画像については、埋め込みボタンのテキストが「埋め込みを解除」に変わります。

2.ドキュメントデータと画像を一緒にパッケージする

メニューバー「ファイル」>「パッケージ」をクリックし、必要に応じてオプションを選択したのち「パッケージ」を実行します。

パッケージ機能を使うと、印刷入稿に必要な画像やフォントなどのデータを素早く一つのフォルダーに収集することができます。

入稿時はこのパッケージごと圧縮して印刷業者に渡すだけなので、とても便利です。

10. ヘアラインの処理をする

ヘアラインとは、塗りのみに色を設定した時にできる輪郭部分の線のことです。印刷できないほど細い髪の毛のような線という意味で「ヘアライン」と言われています。

ヘアラインは印刷時には実際にはない線として認識されてしまうため、入稿データ内の線は必ず枠線を塗り、内側の塗りはなしに設定しましょう。

また入稿データ内の線幅は、特別な理由がない限り0.3ptを下回らないようにするのもポイントです。こうすることで意図しない印刷のかすれなどを防ぐことができます。

まとめ

多くの印刷業者では、入稿前にデータチェックがあります。その際は誤字脱字、オブジェクトの欠けだけでなく、今回ご紹介した項目を参考にしてみてくださいね。